患者「様」呼称から患者「さん」呼称への見直しのお知らせ
2023.07.14更新
病院や診療所で「患者様」という呼び方(呼称)を見直す動きが普及しています。
患者さんの名前に「様」をつける「様」呼称は医療界における「患者中心の医療」「接遇改善」の流れの中で一時普及し、当院でも「様」呼称を採用した経緯があります。
しかしその後、「違和感がある」「よそよそしさを感じる」「患者に様をつけるのは日本語としておかしい」との意見、さらに、一部の人の「誤った権利意識」、「過剰なお客様意識」を助長し診療に影響を及ぼしている、との指摘が相次いでおこりました。
その結果、「さん」呼称に戻す医療機関が多くを占めるようになりました。
以上を踏まえ、患者さんと病院は対等の関係であるべき、との観点に立ち、病院として統一した基準を下記のようにします。
ご理解のほど宜しくお願いいたします。
記
1.「患者様」という呼称は「患者さん」に統一する
「患者の○○(固有名称)様」は「患者の○○(固有名称)さん」に統一する
「患者の皆様」は「患者の皆さん」に統一する
2.文書として個人名に関わる際の使用は特に制限しない
(患者宛郵送文書、診療情報提供書、個人へのメール返信等など)
3.掲示物、看板、一般向け文書、印刷物等の「患者様」記載は順次改める
医療法人社団けいせい会
東京北部病院
参考資料
医療現場における「○○様」という呼び方は、「国立病院・診療所における医療サービスの向上に関する指針」の中、「患者との接遇態度や言葉使いの改善」の項目で、『患者の呼称の際、原則として姓名に「さま」を付けることが望ましい』という通達があり、全国的に広まった(平成13年 厚生労働省)
「患者」という名称は「患った者」という意味であるため、この言葉に尊敬語である「様」をつけるのは日本語として問題がある(平成18年京都大学病院)
患者へのアンケート調査によると、「患者さん」で十分という意見が7割に上る(平成19年西日本新聞)
アンケートの結果、職員・患者とも「さん」の方が身近で親しみを感じる、という意見が多かった(平成19年朝日新聞)
ホテルにおける客と従業員との関係とは異なり、患者と医療者は対等な関係であるべき(平成21年群馬保険医新聞)
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